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2008年9月 3日

青柳 正規 (第1日・第2部)

※ご都合により、シンポジウムにご参加できなくなりました。ご了承ください。

青柳 正規 (国立西洋美術館館長)

「人文学におけるアナログ情報とディジタル情報」

 1999年から文科省の科学研究費補助金によって、イタリアのポンペイ壁画に関する世界でもっとも充実したディジタル画像のアーカイブを構築すると同時に、コンピュータ・グラフィックによる「ジュリオ・ポリビオの家 Casa di Jiulio Polibio」の復元ビデオを制作した。この研究と作業の過程でディジタル情報による記録保存の脆弱性に直面し、2006年にPompei (Regiones VI-VII) -Insula Occidentalis, Napoli pp. 560を発行した。なぜ、印刷によるポンペイ壁画のカタログを出版したかをアナログ情報とディジタル情報の比較から考える。

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2008年9月 3日

イアン・グレゴリー (第1日・第2部)

イアン・グレゴリー Ian N. Gregory (イギリス、ランカスター大学上級講師)

「ヒューマニティーズに於ける場所」
A Place in the Humanities

 歴史研究、特に、 国勢調査のような統計資料や、古地図のような地図情報の分析に関する歴史の側面において、地理情報システム(GIS, Geographical Information Systems)の使用はすでに当然のものとなってきている。歴史分析における地理学の重要性を実証するようなものが、GIS を使った研究にはすでに多数存在するが、最近になって、人文学分野(ヒューマニティーズ)全般でGIS利用の機運が高まっている。これを実現するためには、人文学で最も幅広く使われるタイプの情報であるテキストに使用できるように、GIS が開発されなければならない。今回の発表では、今までの歴史研究におけるGIS 利用を展望すると共に、文学研究のような新しい学問への今後の応用方法について論ずる。

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2008年9月 3日

イーロ・ハイホネン (第1日・第2部)

イーロ・ハイホネン Eero Hyvönen (ヘルシンキ工科大学メディア技術研究所教授)

「CultureSampo -セマンティック・ウェブ2.0におけるフィンランド文化」
CultureSampo: Finnish Culture on the Semantic Web 2.0

 本発表では、セマンティック・ウェブ2.0ポータルであるCultureSampo (http://www.kulttuurisampo.fi/) と、その背景にあるフィンランド国家オントロジーサービス基盤ONKI (http://www.yso.fi) について、議論とデモンストレーションを行う。これらのシステムは、フィンランド全体にわたるセマンティック・ウェブのインフラ構築を目指す国家プロジェクトFinnONTO の一環として、またこれらのインフラに基づく応用システムとして開発されたものである。現在、Web 2.0 は多くの人々の関心を集めているが、我々はそれらの実用化に取り組んでいる。

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2008年9月 3日

リチャード・ビーチャム (第1日・第2部)

リチャード・ビーチャム (ロンドン大学キングス・カレッジ教授)

「過去の未来 -コンピュータ・ベースの文化遺産研究の新展開」
The Future of the Past: New Developments in Computer Based Cultural Heritage Research

 今回の発表では、キングスカレッジのヴィジュアライゼーション・ラボ(KVL)が海外連携機関と協力して行った最近のプロジェクトの成果を中心に論ずる。これは、文化遺産研究を具現化し、研究自体を可能にするヴァーチャルな物体・建築物を作成する試みで、複数ユーザーによる同時オンライン環境、セカンドライフ・ヴァーチャル・ワールドの教育的利用も目指したものである。現在進行中のプロジェクトには、「シアトロン3(Theatron 3)」があるが、これは、歴史上重要な25の劇場建築とその装飾を、それに相応しい背景・舞台衣装・演技動作も含め、再現するものである。この他、KVLのプロジェクトには、メルボルン大学との協力による考古学調査を基にした「(ポンペイ近郊の)オプロンティスのローマ風別荘」(これは、高度なデジタル3Dモデルとセカンドライフの両ヴァージョンで作成中)や、「ポンペイの劇場」(ヴァーチャルな演技の描写を含む)などがある。

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2008年9月 3日

ニール・フライスタット (第1日・第2部)

ニール・フライスタット Neil Fraistat (メリーランド大学教授、メリーランド人文科学技術研究所所長)

  
「デジタル・ヒューマニティーズ − ローカルとグローバル」
The Digital Humanities, Local and Global
  
 1990年代における、確たる分野としてのデジタル・ヒューマニティーズの出現は、デジタル・ヒューマニティーズ・センターによって、また主として、それらに付随する進歩の結果によって引き起こされた。これらのセンターは、(1)人文学への情報技術の応用のための重要な研究所、(2)このような研究の重要性を強力に提唱する機関、(3)分野としてのデジタル・ヒューマニティーズの理論化に向けての重要な拠点、(4)北米の「サイバー・インフラストラクチャー」のローカルノード、といった様々な役割を果たすものとなった。今回の発表では、これらのセンターの歴史と機能、特にサイバー・インフラストラクチャーにおける役割と、ローカルなデジタル・ヒューマニティーズ・センターを結んで、真のグローバルなネットワークの創造を目指す「センターネット(centerNet )」の活動に焦点をあてて述べる。
 
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2008年9月 3日

石上 阿希 (第2日・若手研究者海外派遣成果報告会)

石上 阿希 (立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー)

「海外所在春画・艶本の調査」
Survey of Shunga and Ehon in Overseas Collections

 発表者はITP派遣により、ホノルル美術館・ボストン美術館が所蔵する春画・艶本の調査及びデジタル撮影を行った。また、ロンドン大学SOASを拠点に研究活動を行い、大英博物館の調査も進めた。特にホノルル美術館・ボストン美術館所蔵の資料はこれまで未調査のものであり、今回の派遣で目録を作成できたことは春画研究にとって意義が大きい。本発表では各美術館のコレクションついて述べた上で、これらの調査をふまえた春画・艶本データベースの構想について報告したい。

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2008年9月 3日

大槻 知史 (第2日・若手研究者海外派遣成果報告会)

大槻 知史 (立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー)

「文化遺産・歴史的まちなみをコミュニティで守り続けるには -アユタヤ遺跡・タイ王宮所有地区の事例から-」
How to Preserve/ Conserve Historical Districts by Residents Themselves? –Case Studies of Thailand–

 法制度や予算上の課題の多い東南アジアでは、行政の力だけで文化遺産や歴史的まちなみを保全することは難しく、そこに住む人々の協力が重要となります。本発表では、タイ王国の世界遺産アユタヤ遺跡と王宮所有地の事例から、住民が自分たちの手で歴史的まちなみや文化遺産を災害や乱開発から保全するための方法を考えていきます。この発表が、単なる事例研究を超えて、歴史都市・京都に住む皆さんが地域の遺産やまちなみを守り続けるための参考になれば幸いです。
 

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2008年9月 3日

水田 哲生 (第2日・若手研究者海外派遣成果報告会)

水田 哲生 (立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構ポストドクトラルフェロー)

「災害リスクマネジメントとしての観光地アユタヤの水害ポテンシャルの推定と、研究の成果のフィードバックとしての大学での講義の実践」
World Heritage Ayutthaya's Flood Loss Estimation as Risk Management, and a Practice of Lectures as an Achievement of Research Activities

 2008年6月30日から9月27日までの90日間、タイ・タマサート大学に派遣された。最初の1ヶ月余りは若手研究者ワークショップのオーガナイザー兼研究発表者として努めた。また同時期に大学内で複数の講義を担当した。残りの期間は、世界遺産であり国内有数の観光地でもあるアユタヤの水害リスクマネジメントに取り組んだ。水害頻発に直面しているアユタヤの価値を、トラベルコスト法を用いて試算し、併せて観光客と住民の意識も明らかにした。

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2008年9月 3日

鶴田 清也 (第2日・若手研究者海外派遣成果報告会)

鶴田 清也 (立命館大学大学院理工学研究科博士課程後期課程D3 / RA2)

「バーチャルダンスコラボレーションシステムのための音楽からの感性情報抽出」
Extraction of emotional information from music for Virtual Dance Collaboration System

 我々はライブダンサーとバーチャルダンサーがダンスコラボレーションを行うことのできるシステムを提案している。現在までに提案したシステムでは、ライブダンサーは音楽に合わせてダンスを踊るが、バーチャルダンサーはデータベース中の動作クリップから動作を選び出している。しかし、ダンス動作は音楽から大きな影響を受けるため、コラボレーション中に音楽が変化した場合、バーチャルダンサーの動作もそれに伴って変化する必要がある。
 本研究では、音楽から感性情報を抽出し、その感性の変化に伴いバーチャルダンサーの動作を再構築することを目指す。

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2008年9月 3日

大矢 敦子 (第2日・若手研究者海外派遣成果報告会)

大矢 敦子 (立命館大学大学院文学研究科博士課程後期課程D2 / RA1)

「映画関連資料の整理方法 -コロンビア大学東亜図書館牧野守コレクションの事例-」
The way of arrangement of non-film materials of Makino Mamoru Collection in C.V.Starr East Asian Library at Columbia University

 報告者は、2008年10月から12月にかけて、コロンビア大学東亜図書館にて、「牧野守コレクション」の整理を東亜図書館のアーキビストと共に行った。牧野氏のコレクションは膨大な映画史に関する資料(書籍・雑誌・シナリオ・プログラム・映画会社内部資料・写真資料など)で構成されており、当該コレクションの整理及び公開は映画関係者だけでなく、広く日本史及び日本文化研究の分野でも注目を集めている。本報告では、判明している一次資料群の紹介を行い、現時点での整理手法と今後のデータ整理及び公開に関する試みを発表したい。

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