5.2.02 リーズデイル卿の忠臣蔵

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『旧い日本の物語』
原題:TALES OF OLD JAPAN
アルジャーノン・ミッドフォード(著)
1871年初版(展示品は
1910年版
立命館大学図書館所蔵
【前期展示】

■解説 
 のちにリーズデイル卿として知られることになるイギリス人、ミッドフォードによって事件としての忠臣蔵の紹介がなされた。
 この本は非常によく読まれ、英語圏に忠臣蔵を広く紹介した本として現在でも引合いに出されている。
この紹介のユニークな点は、吉良の浅野内匠頭への屈辱的な仕打ちについて、ヨーロッパ式に「靴の紐を結ばせた」と置き換え、討入り前の内蔵助に「非戦闘員への手出しの無いように」という近代的な演説をさせている点である。
 ちりめん本の挿絵を多く担当した絵師・渓斎英泉の木版画が白黒で入っており、忠臣蔵のあらましについて述べたあと、泉岳寺のそばに住んでいたミッドフォードが切腹の事件現場を通った体験で記事は結ばれている。(川内)