4.3.2 躄の仇討

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 「箱根霊験躄仇討」

無款 細判/合羽摺 役者絵
出版:文化年間(1818年)
立命館大学ARC所蔵 arcUP0645
【前期展示】.

■解説
 「箱根霊験躄仇討」は人形浄瑠璃の演目の一つである。大坂、京都で歌舞伎として上演されていたものを浄瑠璃化したのではないかとされている。通称「躄の仇討」とも呼ばれる。
 飯沼勝五郎が兄の敵討ちをしたという実説をもとにしていると言われている。話のあらすじは、足が不自由になった勝五郎は妻の初花とともに仇である滝口上野を討つために苦戦するが、箱根権現の霊験によって足腰も立ち、敵討ちを果たすというものである。兄弟の仇を討つという物語は敵討ち作品の中でも多い。特にこの作品のように弟が兄の仇をとる話が多くみられる。(Y,Sa)