4.3.9 天下茶屋敵討真伝記

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「天下茶屋敵討真伝記」

写本・大本4冊 実録
成立:慶応3年(1867)春 西義写
立命館大学ARC所蔵 arcBK01-0129
【前後期展示】.

■解説
 慶長5年(1600)9月2日の夜、浮田秀家の家老林玄蕃は、家中の長船家長と争ったのが原因で、当麻三郎右衛門に闇討にされる。玄蕃の妻と子重次郎、源次郎の兄弟は、家来の安達弥助、佐藤元右衛門と共に父の敵を探す。当麻は伊藤将監と名を変えて大野治長の家来となっている。播磨で母は死に、京都では、悪心を起した元右衛門が弥助を殺して、重次郎の金を奪い、将監側につく。兄の重次郎は、病気のため働けず、返り討ちにあう。源次郎は、旧家来で人形屋となっている鵤幸右衛門の助力を得る。二人は大阪に出、木村重成、片桐且元らの援助を得て、慶長14年(1609)3月3日、天下茶屋で首尾よく敵を討つことができた。演劇などの天下茶屋物は、この実録と筋書きがほとんど同じである。(a)