3.1.08 忠臣蔵まくなし巡道具

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「忠臣蔵まくなし巡道具」

無款 大々判/合羽摺 双六
出版:幕末期 大坂(麩屋源右衛門 板)
立命館ARC 蔵 arcUP3095
【前期展示】.

■ 解説
 忠臣蔵大序から十一段目の討入りの場面を題材とした双六。廻(巡)道具(まわりどうぐ)とは歌舞伎の大道具用語で舞台上にひとつ四角の台を載せ二重舞台を作り、その下に車輪をつけ舞台を廻すことをさし、この一枚の双六で「仮名手本忠臣蔵」の有名な部分を一望できる効果がある。各段で選ばれた題材は本展で展示する双六と殆んど差異は見られないものの、この双六の場合は三、四、十一段に比較的コマ数が割かれているところが特徴的である。
 当時は遊戯として、題材となった物語の梗概としての楽しみ方が窺えるが、現代は各双六の共通点や相違点により、作り手と遊び手双方の「仮名手本忠臣蔵」享受の様相を発見する楽しみがあるのではないだろうか。 (Y.I.a)

参考
『新版 歌舞伎事典』平凡社,2000年,p384
Y.I.