3.3.24 忠臣蔵あなさがし

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「忠臣蔵あなさがし」

折本1帖 絵入川柳
出版:天保年間(1830~)頃 江戸
白樺文庫所蔵  shiBK03-0045
【前期展示】.

解説
 本作は「仮名手本忠臣蔵」のストーリーをもとに作られた川柳をまとめたものである。
川柳とは江戸時代中期に流行した五・七・五の形で人事・世相・歴史などを風刺した。タイトルの柳樽は川柳のことを指しており、柳樽は、初編から十七編まで存在して大流行した。本作は、柳樽の語を用い、川柳とそれに関係する場面や風刺した絵が散りばめられた構図になっている。
 五段目の勘平が猪を狙って撃った弾が定九郎に当たった場面を「定九郎ハいのちの親と猪ハいゝ」(右下)と詠んだり、くすりと笑えるものが収録されている。詠まれた川柳は「仮名手本忠臣蔵」のストーリーを知らなければ、面白がれないものであり、それだけ「仮名手本忠臣蔵」が人口に膾炙していて、周知のものだったということである。(M.Oa)

参考文献 赤穂市市史編纂室、2012年、『忠臣蔵第6巻』、赤穂市史編纂室、p63-64