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3.3.29 『忠臣蔵宝物道化縁起』
「忠臣蔵宝物道化縁起」
万亭 応賀(著)、直政(画)
中本1冊 合巻
出版:嘉永元年(1848) 江戸(川口屋宇兵衛,金屋友次郎)
立命館ARC 蔵 hayBK03-0196
【後期展示】.
■ 解説
本作は嘉永元年2月29日から泉岳寺で行われた釈迦八相曼荼羅の開帳に伴い刊行された際物本である。大坂竹本座で人形浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」が初演された寛延元年(1748年)から100年の時間が経過し、「人として忠孝の道を知らなかったら鳥獣にも及ばない」として、「仮名手本忠臣蔵」を宝物の御開帳に見立てて説明している。たとえば六丁表の本尊の場合、衣は勘平が定九郎を撃って懐から奪った縞の財布、蓮座は小判、お経を六段目の勘平切腹の際に登場した討入りの連判状で構成されており、造り物の流行を踏まえたものであろう。「忠臣蔵見立人形」にも通ずるものがある。(Y.I.a)