3.1.06 組上絵 『忠臣蔵 七段目』

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「忠臣蔵 七段目」

晴雲斉東山 大判/錦絵 組上絵5枚
出版:幕末期 江戸
立命館ARC所蔵 arcUP4040-4044
【前後期展示】.

■解説
 組上絵とは、おもちゃ絵の一種である。浮世絵版画を切り抜き、組み立てて遊ぶことができるようになっており、いわば江戸時代のペーパークラフトである。一枚から成るものもあれば、多いもので十枚以上に至るものも存在する。画題は古典作品や歌舞伎の舞台など様々である。現代のペーパークラフトとは異なり、組み立てのための説明図などは存在しない。製作者は小さく描かれた組上がりの完成想定図を参考にしながら、手探りで作成していかねばならないのである。そのため、子どもには作成が困難であり、むしろ大人が楽しんだものだと考えられる。

 本作は、すべてを組み上げると、七段目祇園一力茶屋の場面が再現できるものとなっている。主要登場人物のほか、女中ひとりひとりや調度品までも細部にわたり描写されており、作者のこだわりが感じられる。(H.S)