1.03.3 避けられぬ事件

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 「仮名手本忠臣蔵 三段目」
 
国芳 大判/錦絵 物語絵
出版:安政1年(1854)11月 江戸
立命館大学ARC所蔵 arcUP1195
【前期展示】.
 
■解説
 師直の八つ当たりな暴言に耐え切れず、ついに判官は師直の眉間目がけて斬りつける。さらに斬りかかるのを師直が逃げる中、控えていた本蔵が判官を押しとどめる。御殿中がこの刃傷に騒然となった。若狭之助と師直の対立は本蔵の事前の賄賂によって避けられたものの、判官と師直の対立は本蔵の予期せぬ出来事であった。また本蔵が判官を抑えてしまったことで、師直は生き延び、若狭之助中心の舞台から塩冶判官と家臣たち、そして加古川家を巻き込んだ騒動へと発展していく。
 通称「喧嘩場」とも言う。(藤井)