1.02.3 松斬りの庭

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 「仮名手本忠臣蔵 二段目」
 
北斎 大判/錦絵 物語絵
出版:文化3年(1806)頃 江戸
立命館大学ARC所蔵 arcUP1716
【後期展示】.
 
■解説
 北斎は遠近法を駆使した風景画を得意とし、またその中に何気ない日常生活やちょっとした遊び心を忍ばせることが多かった。
 奥の方に見えるのは鳥居と2人。浄瑠璃集冒頭「空も弥生の。たそかれ時。桃井若狭之助安近の。館の行儀掃き掃除。」より、二人は掃き掃除をしていると思われる。p.169・9行目「刀の役目弓矢神へのおそれ。」とあり、解説には、「弓矢の道の守誰神、即ち軍の神。伊勢貞丈は『軍神問答』に「問云、軍神と武神の弓矢神と差別如何、答云、武道を弓矢の道と云、武士を弓取と云、弓矢の道は軍の為也、其称は三つにかはれども、其実は差別なし」という。貞丈によれば、弓矢神は大和国三輪大明神、常陸国鹿島大明神、下総国香取大明神の三神であるが、源氏の祭神八幡大菩薩を軍神とする考え方が一般的であった。」とある。()