4.3.6 天下茶屋3

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「殿下茶屋仇討 拾」

国芳 大判/錦絵 役者絵 
上演:嘉永7年(1854)6月江戸・河原崎座
「会稽天下茶屋聚」
立命館大学ARC所蔵 arcUP1944
【後期展示】.

■解説
 本作は、嘉永7年(1854)5月の検印がある。6月から上演される歌舞伎の配役で描かれているので、歌舞伎上演に合せて売り出されたものであるが、上演後も物語絵通用する横絵の組物として制作された。
 源次郎と幸右衛門が仇である三郎右衛門を天下茶屋にて討とうとしているまさに敵討の場面である。左上の枠内には、「源治郎 幸右衛門と計て 敵三郎右衛門を 殿下茶屋村に討」とある。
 ついに源次郎は父の仇と同時に兄の仇でもある三郎右衛門を討ち果たし、本懐を遂げる名場面である。父と兄の仇という当麻三郎右衛門という大悪人を討つのは見ている側も爽快であり、非常に評判になった。
 遠景には、住吉の浜を象徴する高燈籠と岸姫松が描かれている。(a)