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4.2.3 沢井又五郎
「伊賀越乗掛合羽」
「沢井又五郎 市川鰕十郎」
無款 細判/合羽摺 役者絵
上演:文化13年(1816)頃 大坂・京都
立命館大学ARC所蔵 arcUP1617
【前期展示】.
■解説
伊賀越物の敵役である沢井又五郎を描いた作品である。又五郎は正宗の名刀の恨みから、恩師である静馬の父渡辺である靭負を殺し、正宗の刀を奪う。又五郎は様々な手段で身を隠し、何とかして逃げおおせようとする。
「伊賀越乗掛合羽」は、前半を本展でも出品する「殺報転輪記」などの実録から、後半を「仮名手本忠臣蔵」の趣向を取入れて脚色している。この図は、俗医者の左内を殺し、人相の変わる薬を奪っている場面であるが、「仮名手本忠臣蔵」五段目の定九郎の場面を取入れていることがわかるだろう。(a)