4.1.2 巻狩

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「曽我兄弟敵討」

国安 大判/錦絵 武者絵
出版:文政頃 江戸
立命館大学ARC所蔵 arcUP5293-5295
【前後期展示】.

■解説
 この作品は、源頼朝が富士で催した大規模な巻狩の場面で、中央奥には、富士が見える。中心となるのは、巨大な猪を仕留める仁田四郎であり、それを眺める頼朝と御所の五郎丸である。通常この場面が単独で描かれるのであるが、本作では、工藤祐経を刀を抜いて追う、五郎・十郎の姿が描かれている。しかし、ここでは、敵討は行われず、兄弟と祐経の対面が果たされて、再開を約束することになる。
 その後、冨士の狩場で討入が決行されるが、工藤を討ったあと、兄十郎は、討死し、弟の五郎は、さらに頼朝を狙って深入りするが女装した御所五郎丸に油断して捕えられ、尋問されたのちに斬首されるのである。(Y,Sa)