3.3.30 座敷芸忠臣蔵

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「座敷芸忠臣蔵」

山東京伝(著)、豊国(画)
中本1冊 滑稽本
出版:文化7年(1810) 江戸
立命館ARC所蔵 hayBK03-0752
【後期展示】.

解説
 本作は「仮名手本忠臣蔵」のワンシーンをさまざまな座敷芸で面白おかしく演じているパロディ作品となっている。
 三段目、口では、加古川本蔵が高師直に黄金などの進物を贈る場面をもとに描いている。左上がとんびの物まねをした師直、左上がろうそくの物まねをした鷺坂伴内、左下が闇細工という福笑いのような遊びをしている本蔵である。師直の機嫌を取るために、豆腐や油揚げ、ネズミといったとんびのエサとなるようなものを進物にしたり、伴内が本蔵をもてなすためにものまね芸をしたりするなど座敷芸と忠臣蔵をうまく組み合わせた読み物である。

 当時の浮世物真似、形態模写などの座敷芸の流行を踏まえた作品。(M.Oa)

参考文献
 林美一、1985年、『江戸戯作文庫 座敷芸忠臣蔵』、河出書房新社、p16-17