3.3.22 仇枕忠臣蔵

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「仇枕忠臣蔵」

国芳(著・画)
錦絵摺/半紙本 三冊 艶本
出版:安政年間(1854~1860) 江戸
立命館ARC所蔵 arcBK03-0138

【後期展示】.

解説
 「
仮名手本忠臣蔵」になぞらえた春本である。春本は、男女の交わりを描いた作品を指す。本作は、それぞれの段で恋愛要素のある人物を取り上げて行為を描くほか、討入りでは混乱に乗じて浪士たちが思い思いに行為に及んでいる様子を描いている。各段に性行為のワンシーンを描くのみだけでなく、文章を書き加えることでストーリー性を高め読み物としても楽しむことができる。引き上げの場では、浪士たちが高師直の首ではなく打ち取った男性器を高々と掲げており、滑稽さを見ることができる。(M.Oa)

参考文献 白倉敬彦、2012年、『別冊太陽 国芳の春画』、平凡社、p154-155