3.3.31 安名手本執心廓

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「安名手本執心廓」(あなでほんしゅうしんぐら)

東西散人(著)・英泉(画)
中本1冊 洒落本
出版:文政10年(1827) 江戸
立命館ARC所蔵 hayBK03-0748
【前後期展示】.

■解説
 洒落本とは、江戸中期以降の小説の一形態である。遊里を舞台とし、遊里の習俗、遊客遊女の風俗言動などを、会話を主とした文章で精細に描き、簡単な小説的構成をとったものが多い。また、「通」や「野暮」などの特有の美的理念に基づいた人物設定を特徴とする。しかし、本作は、その会話文体を使って、茶番の台本とする趣向であり「忠臣蔵」を茶番化したところに面白みがある。実際に、この台本を使って茶番を演じたのかどうかは定かではないが、いわば紙上茶番ともいうべき作品となっている。(H.Sa)