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3.2.16 絵兄弟忠臣蔵 二段目
「絵兄弟忠臣蔵 二段目」
国貞〈1〉 大判/錦絵 見立絵
出版:天保初期(1830)頃
立命館ARC所蔵 arcUP2811
【展示なし】
■解説
本図は、右手にはさみを持ち左手に切り落とした梅の枝を持った女性の姿を描いたものである。女性の額にはしけ(後れ毛のこと)がかかっており、どこか緊迫した中にある色気が感じられる。上部には、「仮名手本忠臣蔵」二段目の高師直を討とうと気が高ぶっている桃井若狭之助(右)と、加古川本蔵(左)がバッサリと松の木を切り倒そうとしている場面が描かれている。したがって、この女性は松を切る本蔵に見立てられているとわかる。「仮名手本忠臣蔵」二段目の同様の場面は、花や木を切って生け花にする女性の構図で見立てられることが多かった。(M.O)