3.2.15-a 『高名美人見立忠臣蔵 十一段目』

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「高名美人見立忠臣蔵 十一段目」

歌麿 大判/錦絵 浮世絵
立命館ARC所蔵 Z0168-120
【展示なし】

■解説
 この作品は、「仮名手本忠臣蔵」十一段目師直捕獲の場面を、吉原の遊郭に見立てたものである。一人の男が数人の遊女に囲まれている様子は、義士たちに囲まれ、捕えられている師直の様子を連想させる。中心の男は作者である歌麿本人の自画像である。男の背後の柱には「応求哥麿自艶顔移」と彫られており、これは「求めに応じて、歌麿が自分を色男に描いた」という意味である。男の胸には黄色い丸紋が付いており、一方に「歌」、他方に「麿」の文字が読める。(H.S)

参考文献

『歌麿』エドモン・ド・ゴンクール著,隠岐由紀子訳,120-122,2005