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2.4.1 義平と於園
「忠臣蔵銘々伝」「天川屋義平」「女房於園」
豊国〈3〉 大判/錦絵 役者絵
出版:安政2年(1855)8月 (見立)
立命館大学ARC所蔵 arcUP3482
【前期展示】.
■解説
本作に描かれている二人は十段目に登場してくる天河屋義平とその妻お園である。彼らは、「仮名手本忠臣蔵」の中では町人の代表とも言うべき存在である。義平は男気があり、また家族思いでもある。
義平は義士らの武器調達の秘密を守るため、お園を離縁し、奉公人にも暇をやった。まだ幼い由松は、母と離れて寂しい思いをすることになる。家族思いの彼にとって、この決断は、極めて難しいものだっただろう。
お園は義平や由松に会いに家を訪ねてくる。父の了竹の存在もこの一家の困難を補強する。なにも知らされないお園にとっての不安は言うまでも無い。こうして、この一家を生活は翻弄されていく。(A.Ya)