2.2.6 忠義心の果て

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「一力内於加留」 「寺岡平右衛門」  「大星由良之助」
国周 大判/錦絵 3枚続 役者絵
上演:慶応2年(1866)7月 江戸・市村座
「仮名手本忠臣蔵」
立命館大学ARC所蔵 arcUP4382-4384
【前後期展示】.

■解説
 七段目、祇園一力茶屋。平右衛門は、敵討ちへの同行を許してもらうため、義理の弟早野勘平が一味に加えてもらうために売られた妹のお軽の命を奪おうとする。まさに、六段目での寺岡家の悲劇の再現をみるものであるが、しかし武士ではないお軽が殺されることはない。武士の側のリーダー由良之助がこれを制止するからである。足軽という軽い身分ながらも他の家臣よりも強い忠義心を見せるのは、十段目の天川屋平右衛門と軌を一にする。(K.Ka)

 

 【参考資料】

戸坂康二(2006)『仮名手本忠臣蔵―江戸を熱狂させた仇討ちと悲恋』(ビジュアル版 日本の古典に親しむ⑪)世界文化社