浮世絵版画の判型は、どの種類の用紙をどのように裁断するかによって決まるが、時代の移り変わりによって用紙や判型もさまざまに変化した。また、紙は産地によって規格が少しずつ異なっていたため、同じ判型であっても寸法はまちまちであった。一般的に、錦絵以前の初期浮世絵版画には美濃紙や西の内(常陸国西野内産)・仙花紙(伊予国産)といった紙が使用され、錦絵時代になると主に奉書紙が用いられるようになった。 ここでは、浮世絵版画の用紙では最大寸法の丈長奉書(全紙約53✕72cm)を横四つ切りにしたもので、宝暦(1751~64)以降、錦絵時代の文化期(1804~18)まで用いられた柱絵判の作品を取り上げる。柱絵判は約72✕13cmの極端に縦長の判型で、略装して柱掛けとしても用いられた。また、『忠臣蔵』では七段目を描くのに適した判型としてしばしば用いられている。