D4.1 (忠臣蔵 七段目)

絵師:礒田湖龍斎
出版:安永(1772~81)初期
判型:柱絵判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0001    

 『仮名手本忠臣蔵』七段目の一場面を描いている。すなわち、大星由良之助が嫡男力弥によって届けられた顔世御前からの密書を祇園一力茶屋の縁先で読んでいるところを、階上よりおかるが、床下より斧九太夫が盗み読むというシーンである。由良之助は、延べ鏡に映して盗み読んでいたおかるの落とした(かんざし)の音にハッと気づいて顔を上げている。

 本図のように極端に縦長の判型を柱絵といい、丈長奉書を横四つ切りにしたもので、宝暦年間(1751~64)以降、明和年間(1764~72)~天明年間(1781~89)前半に盛んに使われ、寛政年間(1789~1801)次第に衰えた。略装して柱掛けとして鑑賞されることが多かった。『忠臣蔵』七段目の、おかる・由良之助・九太夫の3者が上下に配されるこの場面は、柱絵の判型によく合っており、しばしば柱絵に描かれた。