実用的な浮世絵版画の代表は団扇絵であろう。文字通り団扇に貼るために作られたもので、暮らしの中で消耗されるため、未使用のものが残存することは多くない。画題としては、役者絵、美人画、花鳥画などがよく描かれ、幕末になると江戸名所や八景物、雪月花などのシリーズも作られるようになる。『忠臣蔵』では、討入りや登場人物を人気役者の似顔で描いたものなどがある。雪景色の中の討入りは涼を求める団扇絵の画題には適しているともいえるだろう。
実用的な浮世絵版画の代表は団扇絵であろう。文字通り団扇に貼るために作られたもので、暮らしの中で消耗されるため、未使用のものが残存することは多くない。画題としては、役者絵、美人画、花鳥画などがよく描かれ、幕末になると江戸名所や八景物、雪月花などのシリーズも作られるようになる。『忠臣蔵』では、討入りや登場人物を人気役者の似顔で描いたものなどがある。雪景色の中の討入りは涼を求める団扇絵の画題には適しているともいえるだろう。