ここでは、戯画の一種、寄せ絵（はめ絵とも）の作例を紹介する。寄せ絵とは、多くの人や動物、物を寄せ集めて別の形に構成したもので、国芳の「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」「としよりのよふな若い人だ」や、芳藤の「小猫寄り集めて大猫にする」などがよく知られている。『忠臣蔵』をモチーフにしたものとしては、芝居中で使用されるさまざまな小道具を寄せ集めて美人や千手観音に仕立てた作品がある。絵師の奇想に感嘆しつつ、「この小道具は○段目の○○」というように判別を楽しむことができる。