D9.2 見立忠義むすめ

絵師:歌川芳艶
出版:弘化4年~嘉永3年(1847~50)
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0319

  

 1と同様に、『忠臣蔵』の小道具を着物や髪飾りなどに寄せ集めて取り込んだ美人画である。背景の上部には由良之助の紋所二ツ巴がジグザグに並べられており、『忠臣蔵』をテーマとした作品であることを示している。

 髷は顔世の師直への返歌の入った文箱、櫛は八段目道行の富士山、簪などの髪飾りに陣太鼓や一番槍、討入りの采配、煙管(きせる)や蛸の足などが描き込まれる。着物は襟に七段目で由良之助が読み垂らす密書のほか、判官形見の短刀、勘平の鉄砲、定九郎の蛇の目傘、本蔵の尺八、2人侍の編笠、松の枝、縞の財布などが見える。