E2.4.1.2 見立挑灯蔵 五段目

絵師:歌川国芳
出版:弘化4年~嘉永元年(184748
判型:大判錦絵11枚揃のうち
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP0551

 「五段目」の提灯の中には、鉄砲を持った猟師姿の早野勘平が描かれている。
 狂歌には「梅屋 鉄砲のあつ湯好かもたはふれに子ともにねたる網の金柑」とある。
 火を燃やすために鉄や銅製の筒が据え付けられた風呂をその形から鉄砲風呂と称した。手拭いを肩にかけた浴衣姿の女は、熱湯好みで鉄砲風呂からの帰りなのであろう。手には傘、浴衣の模様は蛇の目で、五段目で蛇の目の破れ傘をさす斧定九郎を連想させる。また、女が女童に網の中の金柑をねだるという可愛い戯れも、定九郎が与一兵衛から財布の中の金を奪ったことを利かせる。