E2.4.1.1 見立挑灯蔵 三段目
-
-
絵師:歌川国芳
出版:弘化4年~嘉永元年(1847~48)
判型:大判錦絵11枚揃のうち
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP0549「忠臣蔵」をもじって「挑灯蔵」とする。右上の提灯の中には忠臣蔵の一場面。そこに出てくる言葉を詠み込んだ狂歌と美人画を楽しむ揃物。
「三段目」の提灯に描かれるのは、饗応役桃井若狭之助と指南役高師直の衝突を避けるべく、加古川本蔵が師直への賄賂を用意し、その目録が読み上げられる場面。
狂歌には「梅屋 おくりこす桃の節句の進物も下りの雛を饗応の役」とある。
節句には進物を贈答する風習があった。本図では、女房が三月の節句に送られてきた立派な魚介と書状を受け取っている。これらの進物も、上方から下ってきたお雛様を饗応するために供えられるのである。「桃井」の名の縁から桃の節句が選ばれたのであろう。猫好きで知られる国芳の画で、魚を狙う猫も描かれている。