E2.3.08 (寎花いろは本説)

絵師:歌川国芳
出版:嘉永5年(1852)
判型:大判錦絵3枚続
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP04260428

 嘉永5年3月江戸中村座において「寎花いろは本説(やよいのはないろはのほんぜつ)」が上演された。番付に「出雲が作に基きてつまなかさねその古歌の手爾葉も新らしく銘々伝奇の実録を拙筆に」云々とあり、竹田出雲作「仮名手本忠臣蔵」を基本に置きながらも、義士銘々伝の場を新たに加えた芝居であった。由良之助役を当たり役とした三代目坂東彦三郎楽善の二十七回忌追善興行でもあり、大星由良之助役は四代目坂東彦三郎に任された。本図は大切、敵討の場。中央で目を見開く人物は、遂に義士たちに見付かり詰め寄られる高武蔵守師直、演じるのは十一代目森田勘弥である。その右に四代目坂東彦三郎の大星由良之助、左に初代吾妻市之丞の大星力弥。後ろに控える義士は、右から大鷲文吾、相原伊助、塚松半六、真世孫五郎、杉能重平治、原郷右衛門である。