E1.1.1.09 忠臣蔵 九段目

絵師:歌川広重〈1〉
出版:天保(1830~44)中期
判型:横大判錦絵16枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:
AkoRH-R0035-09

 九段目は、雪の山科、大星閑居で展開する。筋書きは次のとおり。訪ねてきた戸無瀬と小浪は嫁入りを断られ、死のうとするところへ本蔵が現れる。本蔵は、わざと憎らしく大星父子をののしって力弥の槍で突かれる。そして、判官刃傷の際、桃井のためにしたことが塩冶には仇になったことを詫び、忠義のためなら捨てぬ命も子のためなら捨てる親心を察してほしいと頼み、引出物に師直邸の絵図面を渡す。由良之助も、仇討ち後親子ともども命を絶つ決意を示し、大星・加古川両家の間のわだかまりが消え去る。由良之助は、本蔵の着ていた虚無僧姿に着替えて、討入り準備のため堺へと向かう。

 九段目では、戸無瀬・小浪が死のうとする場面や力弥が本蔵に槍で突きかかる場面が多く描かれるが、本図では段切れの由良之助出立の場面が描かれている。