E1.1.1.10 忠臣蔵 十段目

絵師:歌川広重〈1〉
出版:天保(183044)中期
判型:横大判錦絵16枚揃のうち  
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0035-10

 由良之助から討入り武器の調達を頼まれている堺の商人天川屋義平。その義侠心を確かめるため、捕手に扮した義士たちが踏み込んで武器調達のことを白状せよと迫るが、義平は長持の上にどっかと腰をおろし、男気の強さを示して決して口を割らない。というのが十段目の見せ場なのだが、ここでは夜の天川屋の店先、捕手たちが今まさに踏み込もうとするところが描かれている。2人の捕手が担う長持の中には由良之助が隠れているのである。店の向かいにはしっぽく料理の担い屋台が見え、捕手の後方からは3匹の野犬が吠えかかっている。また、捕手たちの向こうには、義平との復縁を求めてやってきたおそのの姿も見える。