絵師:歌川広重〈1〉
出版:嘉永2~5年(1849~52)
判型:横中判錦絵12枚揃のうち
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP1757
十段目、天川屋の場。天川屋義平は義士たちのために、もろもろの武具を調達して長持に隠しておいた。捕り手たちが詮議に来ても、長持の上にどっかと座り込んで中を見せない。後に「天川屋義平は男でござる」のせりふで有名になった場面である。周囲に黒衣装の捕り手を大勢配することで、白い長持の上の義平の姿がくっきりと浮かび上がる。壁に掛けられた大福帳は義平が商人であることを強く印象付ける。にもかかわらず、決して義士を裏切ることなく、武士顔負けの男気を見せる義平である。