E1.1.7.09 忠臣蔵 九段目
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絵師:歌川広重〈1〉
出版:嘉永2~5年(1849~52)
判型:横中判錦絵12枚揃のうち
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP1756九段目、山科閑居の場。許嫁の力弥との婚礼を夢見てはるばる山科までやってきた小浪。しかし力弥の母お石にそれを拒まれ、死を決意する。なさぬ仲の母戸無瀬が小浪を手にかけようとするが、しかしそのとき虚無僧姿の加古川本蔵が現れ、場面はあらたな展開に進む。さて、こういった話が座敷の一室で繰り広げられるわけだが、九段目の舞台では、建具に白楽天などの漢詩が書かれていることが多い。本図の左端に見えるのもそのような漢詩かと思いきや、「大吉利市/万里発行」の文字。これは、この絵が広く売れて莫大な利益があがりますように、という意味で、版元の願いをちゃっかり書き込んだのである。