絵師:歌川広重〈1〉
出版:嘉永2~5年(1849~52)
判型:横中判錦絵12枚揃のうち
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP1748
横中判のシリーズである。背景の風景は控えめに、人物を中央に据えて描く。
大序、鶴ヶ岡八幡宮社頭の場。還御の声が掛かった幕切の場面。E1.1.5.1「忠臣蔵 大序」とほとんど同じ構図である。但し、E1.1.5.1には描かれている若狭之助の表情が、本図では全く見えない。にもかかわらず、師直への怒りはその後ろ姿から十分に伝わる。判官の目には若狭之助の表情が入っているはずだが、しかしこれから先に自分に悲劇が降りかかることを彼はまだ知らない。