絵師:歌川広重〈1〉
出版:天保(1830~44)中期
判型:横大判錦絵16枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0035-07
七段目の本図もまた、めずらしい場面取りがなされている。舞台は祇園一力茶屋。敵方に寝返った斧九太夫が、遊興にふける由良之助の腹を探りにきた酒宴の場面である。このくだりでは、九太夫は亡君逮(たい)夜(や)(命日の前夜。厳しい精進が求められ、生ものを食べるのはひかえられた)と知りながら由良之助に蛸(たこ)肴(ざかな)を食べさせたり、錆びた刀を持っているのを見て安心するのである。