E1.1.1.03 忠臣蔵 三段目

絵師:歌川広重〈1〉
出版:天保(183044)中期
判型:横大判錦絵16枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0035-03

 芝居では、三段目は「進物場」「喧嘩場」「裏門合点」の3場面で構成される。「忠臣蔵」の物語絵では、三段目は「喧嘩場」や「裏門合点」が描かれることが多いが、本シリーズでは「進物場」が採られている。

 主人若狭之助の登城より先に馬を走らせた本蔵が、大手馬場先で師直に莫大な賄賂を贈る場面。芝居と同様、師直は駕籠の中にいる体で姿は描かれず、家臣鷺坂伴内を相手に贈収賄のやりとりが行われている。背景の広大な城は、さすがは風景画の第一人者、洗練された描写を見せる。