E1.1.1.02 忠臣蔵 二段目
-
-
絵師:歌川広重〈1〉
出版:天保(1830~44)中期
判型:横大判錦絵16枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0035-02桃井若狭之助邸で展開する二段目の本図には2つの場面が描き込まれている。画面手前は「力弥使者」。翌朝の登城時刻を知らせるため、家老大星由良之助の嫡男力弥が使者としてやってくる。桃井の家老加古川本蔵の娘小浪は、かねてから力弥と許婚の仲であったので、義母戸無瀬が気を利かせて小浪に力弥を迎えさせる。口上も済んだのであろう、力弥は刀を腰に差し、小浪に背を向けて立ち去ろうとしている。小浪は、力弥のりりしい立ち居振る舞いに見とれている。衝立の陰からは戸無瀬が2人の様子をうかがっている。
画面中央やや上部、奥の座敷の縁側に「松切り」の場面が描き込まれる。若狭之助は、鶴ヶ岡で師直から受けた恥辱にがまんがならず、翌日殿中で師直を討つ覚悟を本蔵に吐露する。それを聞いた本蔵は、庭の松を一枝切り落として「このとおり存分に」と同意する。