B2-20-17 誠忠大星一代話 二十七

絵師:豊国〈3〉
出版:弘化4年(1847)~嘉永1年(1848)
判型:大判錦絵
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP0692

 
 討入前日、由良之助一行は亡君追福のため菩提所"仙鶴寺"に参集。しかし、目的は法事のみではなかった。合い言葉によって討入の手配りをも定めたのである。本図は、由良之助が"仙鶴寺"に金子を納める場面。主君供養のために財を惜しまぬ誠忠に、住持が感じ入っている。尚、仙鶴寺は泉岳寺に当たる。由良之助は5代目松本幸四郎の似顔である。


 松本幸四郎〈4〉 
1764-1838。4代目松本幸四郎の子。初名松本純蔵(すみぞう)。前名3代目市川高麗蔵。俳名金升・錦升・錦江。屋号高麗屋。安永1年(1772)純蔵から3代目高麗蔵に改名。享和元年(1801)5代目幸四郎を襲名。三都や名古屋などで舞台に立ち、時代物・世話物を得意とし、実悪を本領とした。「鼻高幸四郎」と呼ばれ、古今無類、三都随一と賞賛された。高麗蔵時代の寛政11年(1799)4月中村座『忠臣蔵』、5代目幸四郎となってから文政6年(1823)8月中村座『忠孝いろは短歌』、文政9年8月河原崎座『忠臣蔵』で由良之助を演じている。