B2-20-14 誠忠大星一代話 二十四

絵師:豊国〈3〉
出版:弘化4年(1847)~嘉永1年(1848)
判型:大判錦絵
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP0689

 
 本望成就のため山科から鎌倉に向かう前夜、由良之助は酒宴の座を設ける。(はなむけ)として、おかるが琴を弾じる場面である。もと腰元らしい、おかるの優美な姿が描かれている。由良之助は2代目関三十郎、おかるは2代目沢村田之助の似顔である。

 
 関三十郎〈2〉 
1786-1839。初名嵐宗太郎。前名中村歌助、関歌助。俳名歌山。屋号尾張屋。2代目嵐吉三郎・3代目中村歌右衛門の門下を経て初代関三十郎の養子となり、文化4年(1807)大坂で2代目三十郎を襲名。文化5年江戸へ下り、同14年には大立者となった。時代物・世話物を得意とし、和実を本領として名人と称された。当り役は『菅原』の源蔵、『忠臣蔵』の平右衛門など。2代目三十郎は、文化10年4月市村座『忠臣蔵』、文化13年6月桐座『太平記忠臣講釈』、天保6年(1835)10月大坂・中村富三郎座『太平記忠臣講釈』など、しばしば由良之助役を勤めている。