2010年7月 6日

第84回 GCOEセミナー

1.「日本近代文学に描かれた阿片問題
Opium in Japanese modern literture
講 師: 三上聡太(RA/ 日本文化研究班 / 立命館大学大学院文学研究科 D2)

2. 「ゲームマニュアルとはなにか―ゲームマニュアルDBを手がかりに―」
A case study of family computer's game-manuals for video game studies
講 師:尾鼻崇(PD / Web活用技術研究班)

3. 「染色型紙の研究と現状―イメージデータベースの一事例として―」 
The present state of the dying stencil research : an image database case study
講師:加茂瑞穂(RA/ 日本文化研究班 / 立命館大学大学院文学研究科 D2

日 時:7月6日(火) 18:00-19:30(6限)
場所:【衣笠】立命館大学アート・リサー チセンター 多目的ルーム
 【BKC】 インターネット(Power Live)をご利用ください。
参加無料(予約不要)
 
※ 一般の方もインターネットでセミナーにご参加いただけます。
※インターネットでの参加を希望される方は、ak- ishi■fc.ritsumei.ac.jp(■を@に置き換えてください)まで、その旨ご連絡ください(担当、石上)。
※本拠点研究メンバー ですでにID、PWをお持ちの方は連絡は不要です。
※配布資料は開催当日午後より下記のURLからご覧いただけます(期間限定)。
https://www.arc.ritsumei.ac.jp/dhjac/ppt2010/haihusiryo-index.html

発 表要旨は、「続きを読む」をご覧下さい。

【要旨】

1. 三上聡太「日本近代文学に描かれた阿片問題
本セミナーでは、先日、高麗大学でおこなった研究報告を踏まえ、日本のプロレタリア作家堀田昇一の『モルヒネ』について論じる。その中で、デジタライズされた資料をもとに、作品の同時代言説の中での位置関係や、相互互換性について考証したい。
特に旧植民地であった朝鮮半島では、1925年より朝鮮阿片専売制が制定され、また原料阿片の生産地として、日本の阿片政策に大きな関わりをもっていた。しかし今日では、こうした史実は忘れ去られ、その内実を裏付けるだけの研究も難しくなってきている。そうした中で私は、文学にその記憶のありかを求め、言説研究をつうじてこれを明らかにしてゆきたいと考えている。
今回とりあげる『モルヒネ』という作品は、日本の文学史上でもさして言及されることのない作品であるが、作品は在日朝鮮人労働者の労働問題と、朝鮮半島での日本の阿片政策について告発した、きわめて意味のある作品であったと再評価できるだろう。

2. 「ゲームマニュアルとはなにか―ゲームマニュアルDBを手がかりに―」
本発表では、報告者が任天堂株式会社の協力を得て現在進めている家庭用ビデオゲームソフトウェア付属マニュアル(ゲームマニュアル)のデジタル資料化とデータベース構築を手がかりに、ゲームマニュアルの学術研究のための試論を展開したい。今回は、主にゲームマニュアルが何を表象しているか、また、現行のビデオゲーム研究領域(ゲームスタディーズ)とどのように接続し得るかを議論することによって、この資料の学術的価値を明確にすると同時に、その展望を探る。

3. 「染色型紙の研究と現状―イメージデータベースの一事例として―
発表者は昨年度より、染色型紙のデジタルアーカイブ化に取り組んできた。染色の型紙は昨今注目が集まり始めた資料であるため、学術研究基盤が整っているとは言えない。そこで、これまでのアーカイブ活動や型紙のデータベースを紹介しながら染色の型紙の性質と特徴、及び本プロジェクトの現状を報告したい。また、型紙などの「デザイン」をどのようにアーカイブ化し、研究利用していくのかについて課題と今後の展開について述べてみたい。


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