E2.6.1 義士人形夜討之図

絵師:歌川国芳
出版:安政3年(1856)
判型:大判錦絵3枚続 
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0318-0103

 E2.6.1~4 は、当時両国と並ぶ江戸の盛り場であった浅草の奥山で、安政3年(1856)に興行された生(いき)人形(にんぎょう)の細工見世物に取材した作品である。生人形は、生きた人と見まがうほどの肌の質感をもつ等身大の人形で、著名な伝説や歴史上の人物・情景、芝居の場面を各種の細工とともに仕組んだ見世物。このときの人形は、生人形の祖ともいうべき職人、松本喜三郎(肥後出身、18251891)の手になるものであった。

 安政3年の興行では義士討入りの複数の場面が作られており、そのうち本図では、師直邸の門を打ち破り、今まさに討ち入ろうとする場面の生人形を写している。