E2.3.01 高の師真 尾上菊五郎/桃の井わかさ之助 市川海老蔵
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絵師:歌川国芳
出版:天保4年(1833)
判型:大判錦絵2枚続
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP7635~7636天保4年3月江戸河原崎座上演の『仮名手本忠臣蔵』の三段目。師直役は三代目尾上菊五郎、桃井若狭之助は五代目市川海老蔵である。饗応の能が催されている御殿での出来事。若狭之助は鶴ヶ岡八幡宮での遺恨から、刀に手を掛け今にも師直を斬る勢いである。ところが、桃井家家老加古川本蔵から賄いを受けたことで、師直の態度は一変。手をついて先の無礼を若狭之助に謝罪する。描かれてはいないが、屏風の後ろには、固唾を呑んで見守る本蔵が忍んでいる。尚、当該『仮名手本忠臣蔵』は、俗に『裏表忠臣蔵』と呼ばれる。「表」とした従来の『仮名手本忠臣蔵』に、書替物の名場面を取り込んだ「裏」の幕をつなぎ、二十二幕に仕立てて好評を博した。本図は「表」の場面である。