E2.1.2 裏表忠臣蔵

絵師:歌川国芳
出版:安政元年(1854)
判型:大判錦絵3枚続
所蔵:立命館ARC
作品番号:arcUP98779879

 天保43月江戸河原崎座では、従来の忠臣蔵を「表」とし、そこに忠臣蔵書替物の名場面を「裏」としてはさみこみ、裏表二十二幕に仕組んだ芝居を上演した。本外題「仮名手本忠臣蔵」、俗に「裏表忠臣蔵」という。この作はしばしば再演もされ、天保7~8年には同題の合巻が出版されるなど、好評であった。本図の外題はそういった評判にあやかったものか。3枚続きの中央に、大序八幡宮社頭・「七段目」一力茶屋・「三段目」喧嘩場・「九段目」山科閑居を配し、右に「四段目」判官切腹と「扇ヶ谷屋舗」城明け渡し・「六段目」与一兵衛住家・「五段目」山崎街道・「二段目」桃井館を配し、左に「八段目」道行・「十段目」天川屋・「十一段目」討ち入り・「十二段目」墓参を配す。概ね従来の「表」の場面による構成である。