E2.1.1.01 仮名手本忠臣蔵 大序

絵師:歌川国芳
出版:安政元年(1854)
判型:横大判錦絵12枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0036-01

 国芳には『忠臣蔵』の各段場面を描く物語絵の作例は多くはない。安政元年に版元佐野屋喜兵衛から出版された横大判12枚揃のこのシリーズは、その代表的なものである。各図雁木模様の外枠の内側に描かれ、右上(「十二段目」のみ左上)の方形の枠に標題が、右下の縦長長方形の枠内に落款と版元名が記載されている。また、全体を通して見ると、常套的な場面設定がなされているのも特徴である。
 大序を描く本図は、鶴ヶ岡八幡宮社頭兜改めの場面である。画面左上に足利直義、その前に師直、1段低いところに唐櫃をはさむように右に若狭之助、左に判官が控えている。唐櫃に入れられた兜の中から新田義貞のものを探し出す役目を帯びた顔世が石段を登ってくるところ。