E1.3.2 東海道五十三対 戸塚
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絵師:歌川広重〈1〉
出版:弘化2年(1845)ごろ
判型:大判錦絵62枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0148「東海道五十三対」は、3代豊国・初代広重・国芳が分担して描き、弘化2年ごろに刊行された62枚の揃物。右上に黒の長方形に白抜きで標題を書き、その左の団扇形や花輪形などに宿場名と絵や文章・狂歌などを入れ、下方の隅切り方形の枠内に各宿場にちなむ故事や伝説、風俗などを描くという画面構成である。
戸塚宿をテーマとする本図は、富士山を背景にした1人の若い女性が描かれているが、これは戸塚宿あたりの山中を舞台とする『道行旅路の花聟(はなむこ)』のおかるを描いたものである。左上の団扇形には、重の屋光雄の狂歌「かまくらを出る鰹(かつお)につれたちてやほないなかになく郭公(ほととぎす)」が書かれている。「かまくらを出る鰹」とは、自責の念にかられ鎌倉を落ちていく勘平のことである。