E1.3.1 おかる 中山みよし/由良之助 市川海老蔵

絵師:歌川広重〈1〉
出版:天保(183044)中・後期
判型:細判錦絵
所蔵:赤穂義士会
作品番号:AkoGA-G0027   

 『仮名手本忠臣蔵』七段目の一力茶屋。顔世からの密書をおかるに盗み読まれてしまったことを悟った由良之助は、おかるに身請話をもちかけ、大事の漏洩を防ぐために殺してしまおうと考える。図は、階上にいたおかるを梯子を使って降りさせるところ。

 画面左上に記載されているように、おかるは中山みよし、由良之助は5代目市川海老蔵(7代目団十郎)で描かれている。2人の役者が活躍した時期や広重の落款から、天保中・後期に描かれたものと思われるが、実際の芝居の上演には合致するものはない。落款の左には版元印と思しき印も見えるが、この版元も不明である。京都など上方の版元からの依頼で制作された見立絵ではないかと思われる。