D7.2 義士の誠忠芳戯

絵師:歌川国芳
出版:弘化4年~嘉永5年(1847~52)
判型:大判錦絵
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0150   

 師直邸に討ち入った義士たちの悪ふざけを描いている。上段は、案山子(かかし)のような化物を作った義士が「うらめしい ひうどろどろどろ」と同志の最長老(堀部)弥兵衛を驚かしている。腰を抜かした弥兵衛は(矢間)十太郎に起こしてくれと頼むが、十太郎はおかまいなしに逃げるという情景。下段は、「こうしてもろなを(師直)のくび(首)をこしらへてみんなをだましてやろふ」と雪で大きな師直の首を作って他の同志を驚かそうといういたずらである。千崎弥五郎は炭の目玉を押し込んでいる。提灯を掲げているのが力弥で、「おとつさんにそういつちやァいけねへぜ だまっておいでなせへよ」と父由良之助には黙っているようにと釘をさされている。「もうよぶこ(呼子)のふへ(笛)をふかうか」「またはやいはやい さぞみんながきも(肝)をつぶすだらふ はやくよんで見せてへなァ」というやりとりもおもしろい。