絵師:歌川豊国〈3〉
出版:安政6年(1859)
判型:大判錦絵12枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0298
絵兄弟の趣向で描いた12枚揃のシリーズのうち三段目を描いたもの。6で紹介した国貞時代の絵兄弟シリーズが幾分観念的であったのに対して、このシリーズは直接的な描き方がなされている。左上の円形のコマ絵に、判官の供で足利館に来ていた勘平が、顔世からの師直への返書を届けにきた腰元おかるの耳元で恋をささやきかけるところを描く。対する本画面は、左の美人が口元を懐紙で隠しながら右の美人の耳元で何やらひそひそ話をする姿に擬している。