D6.6 絵兄弟忠臣蔵 十一段目

絵師:歌川国貞〈1〉
出版:天保(1830~44)中期
判型:大判錦絵11枚揃のうち
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0144

 「絵兄弟忠臣蔵」は、雲形で区切られた画面上部に『忠臣蔵』各段の場面を描き、それに主となる美人の動作や姿態、器物などを対比させるように描いた11枚からなる揃物。本図はその十一段目。『忠臣蔵』の場面は、炭小屋に隠れていた師直を見つけて引きずり出し、提灯の明かりをかざして確かめ、討ち取ろうとするところ。対する美人は、硯箱と行灯(あんどん)を持って移動していたら、その明かりで足元に染付の杯洗(はいせん)が置いてあるのに気づいたというところか。したがって、「明かりをかざして物を見出す、確認する」という行為に共通性をもたせたものといってよいだろう。