C1.2.25 「忠臣蔵 巻ノ四」

絵師:五粽亭広貞
出版:嘉永4年(1851)
判型:中判錦絵3枚続
所蔵:赤穂市立歴史博物館
作品番号:AkoRH-R0337

 C1.2.24と同じ舞台に取材している。中判3枚続の画面に判官切腹の場面を描いている。右から上使の(いし)(どう)()()()(じょう)(初代実川延三郎)、今まさに短刀を腹に突き立てようとする判官(4代目三枡大五郎)、国元から急ぎ駆けつけた由良之助(4代目中村歌右衛門)である。障子には、悲しみのなか様子をうかがう顔世御前ら家中の女たちの影が描かれる。紗など薄い布(モジ張り)の向こうから光を当てて人影を映す演出が行われたのかもしれない。また、判官切腹の座の四隅の(しきみ)は、江戸では樒の枝を竹筒に挿して立てるのに対し、上方では樒をじかに寝かせて置くという演出も描き込まれている。