C1.1.1 『摂津名所図会 大坂部 四下』

著者:秋里籬島
絵師:竹原春朝斎
出版:寛政10年(1798)刊
判型:木版墨摺・大本
所蔵:中井文庫(立命館ARC提供)

 『摂津名所図会』は、摂津国一円12郡を対象とする絵入り名所・旧跡記で、著者は秋里(あきさと)()(とう)、挿絵は竹原(しゅん)(ちょう)(さい)。9巻12冊からなり、初摺本は寛政8年(1796)から同10年に刊行された。

 「大坂部 四下」に、大坂の歌舞伎芝居の概説と見開き4ページにわたって(どう)(とん)(ぼり)の芝居小屋の図が掲載されている。図は、道頓堀の北西から南東方向を望む鳥瞰図で、(えびす)(ばし)から日本橋の間に「(ちく)()」「(なか)芝居」「(かど)芝居」「角丸」「豊竹(とよたけ)」「竹田」の6つの芝居小屋が描かれている。また、道頓堀側には芝居茶屋が建ち並んでいるのが見える。